第一回光量子センシングワークショップ ~ 基礎からわかる、光量子センシング ~を開催致します

  • 日時 2021年03月08日 13時00分17時00分
  • 場所 Zoomによるオンライン開催

第一回光量子センシングワークショップ~ 基礎からわかる、光量子センシング ~を開催します。

poster.png量子技術を利用した計測・センシング技術は近年大きな注目を集めています。2018年に始まった文部科学省による「光・量子飛躍フラッグシッププログラム(Q-LEAP)」量子計測・センシング領域の活動の中で我々は、「量子もつれ光子対を利用した量子計測デバイスの研究」を基礎基盤研究グループとして推進しています。その活動の中で、産業界や大学等の若手研究者・技術者をはじめ、ご関心のある方に幅広く光量子センシングに理解を持って頂くために本ワークショップを企画いたしました。第一回目の今回は、上記の基礎基盤研究グループを構成する研究者より基礎的な部分から最先端の研究までの講演、および代表機関である京都大学・竹内繁樹教授の研究室のバーチャルラボツアーを実施いたします。本ワークショップは、産官学の若手技術者・研究者間の交流にもつながるイベントとして、今後も継続的に実施していく予定です。皆様のご参加をお待ち申し上げております。

イベント詳細

https://photonsensing.org/irqas/workshop/seminar01.html

プログラム

13:00~13:10 挨拶
 主催者:京都大学大学院工学研究科  教授 竹内繁樹
 来 賓:文部科学省 量子研究推進室 室長 河原 卓
13:10~13:50

「光量子センシング技術の現状と展望」

京都大学大学院 教授  竹内繁樹

光を用いたセンシング技術は、顕微鏡などのイメージング、分光測定、LiDAR(光検出測距)など幅広い分野で利用されている。一方、最近、光の状態を光子レベルで制御した「量子もつれ光」を用いた「光量子センシング」が注目されている。従来の光センシングの感度や分解能の限界を打破し、装置の大幅な小型・高性能化の可能性が示されている。例えば、赤外量子吸収計測は、可視の光源と検出器により赤外域の吸収分光が可能になり、装置の大幅な小型化が期待される。また、量子光断層撮影(量子OCT)は、従来のOCTの分解能を大幅に向上できる可能性がある。講演では、これらの光量子センシングの基本的な考え方や現状を分かりやすく解説する。

13:50~14:20

「擬似位相整合素子とその応用」

島津製作所 主任研究員 徳田勝彦

擬似位相整合素子は、強誘電体結晶内に周期的に反転させた構造を形成して波長変換を可能にする素子であり、第二高調波発生や光パラメトリック発生等の技術により、レーザー機器に広く利用されてきた。本稿では、素子の構造、作製技術、擬似位相整合の原理の説明し、従来のレーザー機器への応用をはじめ、最近の量子もつれ光子対光源への応用など擬似位相整合素子を利用した技術について紹介をする。

14:20~14:50

「赤外分光装置の構造とその応用」

島津製作所 マネージャー 太田宏

フーリエ変換型赤外分光光度計(FTIR)は、干渉を用いた高感度な赤外領域の分光分析装置として、短時間で簡便に測定できる利点から幅広く普及している。その基本的な構造と付属品を説明するとともに、固体および液体、気体など試料の形態に応じた付属品を使用して品質管理、異物・不良解析、素材開発、生体を含む有機物分析など様々な分野におけるアプリケーションについて紹介する。赤外分光装置から見た光量子技術への期待についても述べる。

14:50~15:00 休憩
15:00~15:30

「超伝導ナノワイヤ単一光子検出器の原理とその応用」

情報通信研究機構 上席研究員 寺井弘高

超伝導ナノワイヤを利用した単一光子検出器(SSPD)は、紫外から中赤外に感度を持ち、高検出効率、高計数率、低暗計数率(低ノイズ)、低ジッタという特長から、量子情報通信分野を中心に研究開発現場に広く普及しつつある。本講演では、SSPDの動作原理、作製技術、冷凍機実装技術、評価技術について説明し、SSPDシステムを活用した様々な応用研究についても紹介する。

15:30~16:00

「テラヘルツ光技術の現状と展望」

京都大学大学院 教授 田中耕一郎

テラヘルツ光とはおよそ300GHzから10THzの周波数領域の光(電磁波)を指し、エネルギーに換算すると数meVから数十meVに対応する。この周波数帯域には、分子の回転スペクトル、巨大分子の振動モード、強誘電体等のソフトモード、超伝導ギャップ、半導体中の励起子の束縛エネルギーなど数々の励起モードが存在し、物性の観点からは大変魅力的な周波数帯域である。また、将来の高速大容量通信やX線と補完的なイメージング光源といった観点から、この周波数帯のエンジニアリングもさかんに研究されている。本講演では、テラヘルツ光技術の現状と展望をわかりやすく解説する。

16:00~17:00

「京都大学・竹内研究室バーチャルラボツアー」

「量子赤外吸収分光装置」、「量子光干渉断層撮影装置(量子OCT)」

 定員

300名(先着順) 

参加料

無料

会場

 Zoomによるオンライン開催

申込み方法

【専用フォーム】より必要項目を入力の上、「送信」ボタンを押してください。

申込み締切

2021年2月28日(日)
※ただし、定員に達し次第、受付を終了します。

申込み・問い合わせ先

京都大学 光量子センシング研究拠点 加賀田 075-383-2289
ku-qleap-ws@qip.kuee.kyoto-u.ac.jp

お願いとご連絡

ZoomのURLは、お申し込みのメールアドレスに3月5日までに連絡いたします。
・ZoomのURLの転送は禁止いたします。一つのメールアドレスにはお一人のみの参加でお願いします。
・本イベントの録音、録画、複製は厳禁です。ご理解ください。
・Zoomの仕様や使い方などの問い合わせには対応いたしかねます。

主催 京都大学大学院 工学研究科 電子工学専攻 応用量子物性分野、京都大学 光量子センシング研究拠点
共催 京都大学産官学連携本部、京都大学学術研究支援室、京都大学大学院工学研究科、京都大学卓越大学院プログラム 先端光・電子デバイス学、株式会社TLO京都、公益財団法人 京都市高度技術研究所
後援 公益社団法人 応用物理学会

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