教育ポリシー(修士課程)
学位授与の方針(ディプロマ・ポリシー)
京都大学大学院工学研究科は、学問の基礎や原理を重視して環境と調和のとれた科学技術の発展を先導するとともに、高度の専門能力と創造性、ならびに豊かな教養と高い倫理性・責任感を兼ね備えた人材を育成することをめざしています。修士課程では、広い学識と国際性を修得させ、自ら課題を発見し解決する能力を有する高度技術者、研究者の育成をめざします。
上記のような人材育成の目標のもと、次の条件を満たした者に修士(工学)の学位を授与します。
所定の期間在学し、本研究科の目標に沿って設定された授業科目を履修して、基準となる単位数(30単位)以上を修得するとともに修士論文の審査及び試験に合格することが、修士(工学)の学位授与の必要条件です。
修士課程の修了は、修士学位申請者が提出した修士論文が工学研究の学術的意義、新規性、創造性、応用的価値を有しているかどうか、修士学位申請者が研究の推進能力、研究成果の論理的説明能力、ものづくりやシステムづくり等を通じて人類の福祉や地球社会の持続的発展に貢献するための幅広い専門知識、学術研究における倫理性と責任感を有しているかどうか等を基に認定されます。
なお、学修・研究について著しい進展が認められる者については、在学期間を短縮して修士課程を修了することができます。
教育課程編成・実施の方針(カリキュラム・ポリシー)
京都大学大学院工学研究科は、学位授与の方針に掲げる目標を達成するために、次のような方針に沿って教育を行います。
- 学士課程での教育によって得た基礎知識及び研究能力を発展させ、より専門性を高める。
- ものづくりやシステムづくり等を通じて人類の福祉や地球社会の持続的発展に貢献するための幅広い専門知識を修得できるように、さまざまな分野を横断的に学修できるカリキュラムを編成・実施し、広い学識を修得させる。
- 研究を通じた教育や実践的教育を介して、研究の推進能力、研究成果の論理的説明能力、学術研究における倫理性と責任感を備え、自ら課題を発見し解決する能力を育てる。
- 自己の研究を各専門分野において的確に位置づけ、その成果と意義を国際的な水準で議論し、必要に応じて協力体制を構築できる能力を育てる。
このような教育方針を実行するために、工学研究科では、修士課程教育プログラムに加えて、修士課程と博士後期課程を連携する教育プログラム(博士課程前後期連携教育プログラム)を開設しています。連携教育プログラムは、博士学位を有する技術者・研究者を育成するための教育プログラムです。二つの教育プログラムともに、学修専門分野の学識のさらなる深化・進展を目的とする科目(コア科目・メジャー科目)、広い学識の修得を目的とする学修専門分野とは異なる分野の科目(マイナー科目)、実践性の涵養を目的とする科目(On the Research Training科目、インターンシップ科目)が開講されています。また、国際性を育むために、国際インターンシップや英語で行われる授業も開講されています。
なお、上記の教育課程編成方針をより効果的に実施するため、各科目の内容や重要度等により、年次配当や必修・選択の科目区分等を設定し、学修要覧や履修モデル、コースツリーなどを用いてその体系性や構造を明示しています。また、各科目の学修成果は、定期試験、レポート、実験・実習成果、授業中の小テストや発表などの平常点で評価し、各授業科目の内容や学修成果の評価方法については、科目ごとの学習計画の概要表(シラバス)に記載しています。
学生は、在学中、学修専門分野の研究室に配属され、教員の指導のもと特定の研究課題に取り組みます。研究開始においては、指導教員との十分な議論を通して、研究の目的、内容、計画を定め、研究を進める中で、セミナーや論文輪読会、グループゼミなどの機会を通して、研究の進捗、計画の変更などの議論を定期的に行い、最終的に修士論文としてまとめます。また、指導教員との相談のもと、教育プログラムで開講される科目のなかから取捨選択し、学生の能力とキャリアパスに合わせた独自のカリキュラム(テーラメードカリキュラム)を構成し学修していくことを通じて、上記教育方針でめざすところの知識と能力を身につけられるようになっています。
上記のような教育課程編成のもと、学位授与の方針に沿い、修士論文においては、その内容の審査に加え、修士学位論文発表会等での口頭試問や、研究指導を受けている時に行った活動(研究室におけるゼミナール、On the Research Training、インターンシップ等)を通じて評価されます。
なお、専攻によっては研究指導に際して進級審査等、また論文提出に際して中間報告・審査等の独自の規定を設けていることがあります。