松波弘之名誉教授の2023 IEEE Edison Medal 受賞が決定しました。

松波弘之名誉教授が、「SiC材料の開発およびパワー半導体デバイスの先駆的研究」の業績に対して、電気電子工学分野で世界最大かつ最も権威ある学会である米国電気電子学会(IEEE:世界160か国で約42万人の会員) からEdison Medalを授与されることが決定しました。Edison Medalは、革新的で社会に大きく貢献する発明をした研究者を顕彰するIEEE最高位の賞の一つで、松波名誉教授は日本人として4人目の受賞者です(過去の日本人受賞者は、西澤潤一氏(文化勲章)、赤﨑勇氏(ノーベル物理学賞)、伊賀健一氏(文化功労者))。

松波名誉教授は、従来、研磨材や耐火煉瓦用材料として知られていたSiC(炭化ケイ素)の高品質単結晶を世界で初めて実現し、これを用いて世界初の高性能ダイオードとトランジスタを作製しました。現在、交流・直流を互いに変換できるSiCパワー半導体の実用化が世界中で進み、大きな省エネルギ―効果を発揮しています。

松波名誉教授のコメント

松波名誉教授

誰もやったことがない研磨材・耐火煉瓦用材料のSiCをエレクトロニクス世界に持ち込みたいとの思いで、1968年に半導体Si基板上に気相化学堆積法で開始した無謀な研究でした。1987年に発見・発明した「ステップ制御エピタキシー法」で高品質SiC単結晶を作り、高性能のダイオード・トランジスタを作製した後、日本のパワー半導体業界が参画、世界もこれに加わって、現在の状況となっています。研究室のスタッフ、学生達と楽しくやって来たことが日本発で社会に展開していることを嬉しく思っています。

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