京都大学理事・副学長 北川 進 先生がノーベル化学賞を受賞

京都大学理事・副学長 北川 進 先生のノーベル化学賞受賞の報に接して

 令和7年10月8日
京都大学工学研究科長・工学部長

立川 康人

 

本学理事・副学長 北川 進先生が、ノーベル化学賞を受賞されるとの報に接しました。北川先生は本学工学部を卒業後、大学院工学研究科修士課程を経て、大学院工学研究科博士後期課程を修了され、昭和54年に京都大学工学博士の学位を授与されました。その後、近畿大学理工学部助教授、東京都立大学理学部教授を経て、平成10年6月に本学工学研究科教授に着任され、平成29年3月まで工学研究科・工学部において、多くの学生の教育と研究者の指導にあたり、人材を育成されました。平成19年10月からは京都大学物質―細胞統合システム拠点教授となられ、平成29年4月から現在まで、京都大学高等研究院特別教授として研究に取り組まれながら、令和6年4月からは京都大学理事・副学長を務められ、大学運営にも貢献されています。

本学工学部と工学研究科で学ばれ、本学で教育研究に尽力されている北川先生が、このような栄誉を受けられましたことは、工学研究科・工学部にとりましても誠に大きな喜びです。京都大学工学研究科・工学部の教職員を代表して、心よりお祝い申し上げます。

北川先生は、世界に先駆けて多孔性配位高分子(Porous Coordination Polymer, PCP)の概念を提唱し、その合成に成功されました。PCPは金属イオンと有機配位子から構築される結晶性多孔体であり、国際的にはMetal–Organic Framework(MOF)として広く知られています。北川先生による「PCP」という呼称は、この分野を切り拓いた独創的業績を象徴するものです。これらの材料は、気体分子の可逆的な吸着・分離・貯蔵を可能とし、触媒、分離膜、エネルギー貯蔵など多様な応用展開が期待されています。

この偉大な功績をなされた北川先生を誇りに、工学研究科・工学部における教育研究に一層尽力して参ります。