電気系・化学系各専攻を令和8年度に改組します

 京都大学大学院工学研究科は、令和8年度に電気系2専攻(電気工学専攻、電子工学専攻)を一専攻化し、電気電子デジタル理工学専攻を設置します。また化学系6専攻(材料化学専攻、物質エネルギー化学専攻、分子工学専攻、高分子化学専攻、合成・生物化学専攻、化学工学専攻)を一専攻化し、化学理工学専攻を設置します。

電気電子デジタル理工学専攻

電気系2専攻は、京都大学における電気系分野の長い歴史と実績を有し、これまでも密接に連携しながら教育研究活動を展開してきました。これら2専攻は運営上一体的に活動してきたものの、正式な統合は今回が初めてとなります。その背景には、デジタル化とグリーン化が加速する社会において、電気・電子・情報の融合による新たな価値創出が強く求められていることがあります。特に、現実世界における材料・デバイス・量子・グリーンテクノロジーと、情報世界におけるデータサイエンスやAIといった先端技術とを統合し、両者を横断的に活用できる高度人材の育成は、喫緊の社会的課題となっています。

こうした背景のもと、令和8年度からは「電気電子デジタル理工学専攻」として新たに一専攻化を実現し、学際融合的な研究・教育の推進を図ります。特に「デジタル・グリーン領域」の新設により、既存の研究室を再編するとともに新たな研究分野の創出にも取り組み、柔軟かつ実践的な教育研究体制を整備します。また、新領域の授業や領域交差型インターン等の領域横断型の学びを通じて、物理・数理に根ざしつつも情報技術を活用できる多角的人材の育成が可能となります。

一専攻化により、電気・電子・情報分野の研究室が一丸となって協働し、従来の専門分野の枠を越えた革新的な研究・教育の展開が期待されます。さらには、学術の進展のみならず、持続可能な社会の構築や産業界との連携による社会イノベーションの創出にも大きく寄与することが期待されます。

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化学理工学専攻

化学系6専攻は、それぞれが専門性の高い教育研究を展開してきましたが、社会課題の複雑化・多様化が進むなかで、より統合的かつ機動的な教育・研究体制への移行が求められてきました。

令和8年度から発足する「化学理工学専攻」では、基礎教育を体系的に深化させるために6つの「トラック」(物理・量子化学、有機化学、無機・分析化学、高分子化学、生物化学、化学工学)を整備するとともに、社会の変化に応じて柔軟に更新可能な研究組織として、4つの先端領域(材料・分子システム化学、生医工化学、実装化学、環境・エネルギー化学)を設けます。これにより、従来の個別的・専門的な教育から、専門知の深化と学際知の涵養を両立させた新しい教育・研究体制へと移行します。 

一専攻化によって、教員、職員、学生合わせて、総勢1,000名を超える世界最大級の化学系専攻となり、規模の利を活かした先進的かつ多様な教育・研究が可能となります。これにより、化学産業のみならずエネルギー・自動車・医療機器など多様な分野で活躍できる、高度専門性と学際的視野を兼ね備え、牽引力のある人材の育成が可能となります。さらに、3名のノーベル賞受賞者を出した基礎研究の伝統を継承しつつ、グローバルに活躍する次世代研究者の育成にも貢献することが期待されます。

化学理工学専攻.png

新専攻名称

和文専攻名称:電気電子デジタル理工学専攻
英文専攻名称:Department of Electrical, Electronic, and Digital Science and Engineering

和文専攻名称:化学理工学専攻
英文専攻名称:Department of Chemical Science and Engineering

問い合わせ先

京都大学桂キャンパスAクラスター事務区教務掛
〒606-8501 京都市西京区京都大学桂
電話: 075-383-2076
E-mail: 090kakyomu*mail2.adm.kyoto-u.ac.jp
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