2024年京都大学-清華大学日中環境技術共同研究・教育シンポジウムを開催しました(2024.12.7)

2024年127日、本学工学研究科と清華大学深圳国際研究生院が主催し、本学地球環境学堂、京都大学清華大学環境技術共同研究・教育センター(以下CRESET)及び本学工学研究科附属桂インテックセンター 革新的物質循環システム工学研究部門が共催して、2024年日中環境技術共同研究・教育シンポジウムを開催しました。
CRESETは、2005年に本学工学研究科が、中国広東省深圳市の清華大学深圳研究生院(現・深圳国際研究生院)に設立し、2018年からは、本学のOn-site Laboratoryに認定されています。

シンポジウムに先立ち、同日午前中に、立川康人 工学研究科長をはじめとする本学の教職員11名(都市環境工学専攻の高岡昌輝 教授:CRECET主任、地球環境学堂の藤原拓 教授:CRECET副主任、都市環境工学専攻の大下和徹 准教授、地球環境学堂のGregory Trencher 准教授、工学研究科附属流域圏環境質総合研究センターの浅田安廣 准教授、竹内悠 助教、地球環境学堂の野村洋平 助教、叶 蓓 CRECET特定助教、桂地区(工学研究科)事務部の廣瀬泰子 教務課長、西坂加奈 学術協力課研究・国際支援掛長)が清華大学深圳国際研究生院を訪問し、研究生院副院長のLiu Bilu刘碧录)教授、環境生態研究院副院長の Guan Yuntao (管运涛)教授らと国際交流に関する意見交換を行いました。

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両大学の意見交換

Liu 副院長は歓迎の挨拶をされた後、清華大学深圳国際研究生院の教育・研究や国際交流の状況を紹介し、本学との協力関係を今後も発展させていきたいと述べられました。一方、立川研究科長は、今回の深圳への訪問を歓迎いただいたことへの御礼及び本学工学研究科の現状を紹介し、今後の多様な交流への発展への期待を述べられました。続いて高岡教授はCRECETの活動状況として、京都大学と清華大学のダブルディグリープログラム(DDプログラム)の運営状況や、学生間での国際交流状況やいくつかの共同研究プロジェクトを紹介しました。その後、来年はCRECET設立20周年となることから、京都、深圳でそれぞれイベントを予定していること、また、次年度に予定されているCRECETの移転について議論を交わし、Liu 副院長からは、両大学の協力の拡大・深化を全面的に支援するとのお言葉をいただきました。最後に、Liu 副院長と立川研究科長の間で、記念品交換が行われました。

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記念品交換

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京都大学及び清華大学の教員一同

その後、立川研究科長らは、CRECETの居室、実験室、環境生態研究院の実験室やDD生の宿舎などを見て回られました。その間、高岡教授、藤原教授、松田知成 教授(都市環境工学専攻長:オンライン参加)、大下准教授は、次のDD生の面接を行いました。

午後からは2024年日中環境技術共同研究・教育シンポジウムを開催し、京都大学、清華大学、深圳大学、大連理工大学、中国・日本の環境関連企業から88名が現地あるいはオンラインで参加しました。

シンポジウムの冒頭において、清華大学深圳国際研究生院副院長のZuo Jian'e左剑恶)教授がオンラインで挨拶を行いました。京都大学の教員や学生、日本企業の代表者が現地へ訪問したことを歓迎し、両大学の協力関係における教育・研究の実りある成果を振り返りました。そして、さらなる共同研究・教育の進展を期待しました。

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清華大学深圳国際研究生院Zuo Jian’e 副院長の挨拶

次に、立川研究科長から、本シンポジウムの主催者に感謝の意を述べられた後、DDプログラムなどの活動が本学内で高く評価されていること、センターの設置に関して覚書を更新し、今後はその有効期間を3年から5年に延ばすこと、このような協力が将来さらに深まることを願っていると述べられました。

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立川康人 工学研究科長の挨拶

CRECET には、環境関連企業の協議会が形成されており、三野禎男協議会会長の代理として、副会長の長田守弘氏からオンラインで挨拶がなされました。京都大学と清華大学の約20年間の交流を評価し、今後の人材育成と科学研究の協力について、引き続き支援することを表明しました。

次に、CRECET 設置継続に関する覚書の更新に関するセレモニーが行われ、202541日からの5年間の設置が合意されました。本シンポジウムを記念してオンサイト参加全員での集合写真を撮影しました。

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CRECET設置継続に関する覚書の更新に関するセレモニー

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シンポジウム参加者の集合写真

続いて国際教育セッションでは、5人の教授が京都大学と清華大学の国際教育プログラムを紹介し、貴重な経験を分かち合いました。また、今年のさくらサイエンスプログラム(京都大学で10-11月に実施)に参加した清華大学の3人の学生がプログラムで得た経験を語り、この短期インターンシッププログラムについて参加者と共有しました。

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国際交流セッション(清華大学学生からの発表)

学術交流セッションでは、京都大学、清華大学だけではなく、このセンターから巣立った若手研究者ら、5つの大学の9人の教員・研究者と日本と中国の環境関連企業の代表者4人が、最新の水質や廃棄物の問題についてそれぞれの研究内容を発表しました。

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学術交流セッション(日本企業からの発表)

最後に、京都大学地球環境学堂長 田中千尋 教授よりオンラインで閉会の挨拶があり、参加者に心から感謝の意を表し、このような協力関係が長く続くことを願っていると述べられました。

本シンポジウムは2008年以来、毎年12月に開催されています。日中両国の教員、学生、企業関係者が一堂に会し、国際教育の現状、最新の研究成果、新しい産業技術について共有しました。清華大学と京都大学を中心としたネットワークを広げ、相互理解を深めるとともに、学生の共同研修の促進、研究交流の拡大などの良い機会となりました。

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