2025年京都大学-清華大学環境技術共同研究・教育センター設立20周年イベントを開催しました(2025.7.11~13)

京都大学-清華大学環境技術共同研究・教育センター(以下CRECET)は、200510月に、工学研究科都市環境工学専攻の寄附講座「日中環境技術研究講座」を中国・深圳の清華大学のキャンパスに設立したことに始まります。2025年は設立20周年を迎えることから、2025711日~13日において20周年記念イベントを実施しました。

7月11日は、清華大学深圳国際研究生院から学生16名及び余龙飞 清華大学准教授、杨 明月 工学研究科特定助教(クロスアポイントメント)が桂キャンパスを訪問しました。午前中は講義の受講や実験室見学を行い、午後からは、宇楊(于)再治 工学研究科助教、周心怡 工学研究科特定助教、劉俊榮特定研究員、張蕊特定研究員のリードの下、京都大学生(4回生~博士3回生、研究生)22名と清華大学の学生の混合グループワークを実施し、翌日の大阪・関西万博視察に合わせて日本館で展示される科学技術に関する討議・発表を行いました。

写真1 大阪・関西万博西ゲート前での記念撮影

7月12日は、教職員合わせて47名が大阪・関西万博を視察しました(写真1)。4班に分かれて順次、大阪ガスによって実証されているカーボンリサイクルファクトリーの現場を訪れ、生ごみからのバイオガスの製造、さらにはバイオガス中のCO2のバイオメタネーション及び触媒メタネーションの実証プラントを見学し、持続可能な社会の実現に向けた取り組みを学びました。また、この日は開幕初日に悪天候ゆえに延期となったブルーインパルスの展示飛行が実施され、より印象に残った視察になったのではないかと思います。

7月13日は午後1時より吉田キャンパス時計台記念館国際交流ホールIIIにおいて、20周年記念式典とシンポジウムを実施いたしました。設立20周年記念式典においては、京都大学、清華大学をはじめとしてセンターの協議会関連企業から多数の参加者を得て、合計170名が集まったイベントとなりました。

藤原拓 地球環境学堂教授の司会の下、記念式典が進行されました。冒頭、本センターの設立にご尽力された武田信生 本学名誉教授が本年66日にご逝去されたことに伴い、黙とうをささげました。立川康人 工学研究科長が主催者として開会の挨拶を述べられました。来賓のご祝辞として、椹木哲夫 本学理事・副学長、郝吉明 清華大学教授、津野洋 本学名誉教授、胡洪营 清華大学教授、三野禎男 本センター協議会会長、田中宏明 本学名誉教授からそれぞれご祝辞を賜りました。その後、椹木哲夫理事と郝吉明清華大学教授の間で、記念ギフトの交換式が行われました。次に、これまで本センターを支援いただいた協議会企業及びセンターに永らくご尽力いただいている2人の秘書に対して、立川康人工学研究科長及び田中千尋地球環境学堂長から感謝状の贈呈式が行われました。その後、全体での集合写真をくすのき前で撮影しました(写真2)。

写真2 20周年記念シンポジウムの集合写真

講演会に先立ち、本センターの主任である高岡昌輝 工学研究科教授から20年間のセンターの活動紹介が、続いて左剑恶 清華大学深圳国際研究生院副院長から清華大学深圳国際研究生院の国際交流の紹介がなされました。その後、都市環境工学専攻修士2回生の奥川友裕君から本活動の1つの特徴である修士ダブルディグリープログラムの経験に関する紹介が行われました。

講演会においては、環境工学・環境科学分野における最新の研究が、両大学の先生方(藤森真一郎 工学研究科教授、管运涛 清華大学教授、越後信哉 地球環境学堂教授、余龙飞 清華大学准教授、大下和徹 工学研究科准教授)から紹介されました。最後に、田中千尋 地球環境学堂長より閉会の挨拶があり、参加者永きにわたるご支援に感謝の意を表されました。

シンポジウム終了後は、吉田キャンパス時計台記念館国際交流ホールIIIIIにて意見交換会が開催され、旧交を温め、今後の活動について率直に意見交換を行いました。左剑恶 清華大学深圳国際研究生院副院長及び管运涛 清華大学教授より、深圳での20周年記念行事は20251115日に清華大学深圳国際研究生院で実施する予定であることが宣言され、一連の行事が終了いたしました。

本行事に携わっていただいていた方々に御礼申し上げるとともに、本センターの活動を支援いただいている教職員及び支援企業に深く感謝申し上げます。今後も本センターの活動を通じて両大学の学生や若手研究者の国際人材化や研究能力の開発に努めてまいりたいと考えております。