JSPS アジア研究教育拠点事業 第8回ステアリング委員会を開催しました(2015.1.27)
本学工学研究科を日本側拠点機関,マラヤ大学をマレーシア側拠点機関として実施している日本学術振興会アジア研究教育拠点事業の一環として,宮古島にて第8回Steering委員会の開催及び視察を行いました。
日本側は工学研究科からコーディネーターの清水芳久教授をはじめとするメンバー及び事務部職員の計14名が出席し,マレーシアからはコーディネーターであるマラヤ大学のNik Sulaiman教授を中心に9名の出席がありました。
本事業は平成23年度から開始した5年間の事業で,アジアでの流域管理・リスク管理に焦点を当て,新たに発生することが予測される重要な課題に対しての解決策を見いだすと同時に,研究者・技術者のための教育プログラムを作成し,育成した若手研究者を次世代の指導者とすることで継続的な研究・人材育成が可能なリソースを築くことを目標としています。
今回の宮古島訪問はマレーシア側より強い希望があったもので,宮古総合実業高校の全面的な協力により実現しました。
宮古島では畑に施用される化学肥料が地下水を汚染していたところ,宮古総合実業高校がこれを解決するBio-P(バイオ・リン)という有機肥料を開発し,水のノーベル賞とも言われる「ストックホルム青少年水大賞」を2004年に受賞されました。
マレーシアではこれまで表流水のみを利用して来ましたが、近年都市部での急激な人口増加や椰子を主体としたプランテーション農場の拡大により、近い将来には水不足と化学肥料による地下水汚染が懸念されています。マレーシアと土壌が似ている宮古島の地下水利用の現状やその保全方法、汚染対策・予防等が同国の参考になると考えられています。
本事業運営メンバー一行は27日に同校を訪問して伊志嶺校長や前里教諭と意見交換を行い,翌28日には宮古総合実業高校にて約80人の生徒と合同で研究発表会を行いました。
Nik教授や清水教授がマレーシアや本事業の説明を英語で行い、宮古総合実業高校環境班メンバーが英語でBio-Pの活用方法や地域連携の取り組みを紹介する等,国際シンポジウムの体験といった高大連携が実現しました。これらの様子は現地新聞二社(宮古新報、宮古毎日新聞)に掲載されました。
また一行は地下ダムやファームポンド(取水施設から汲み上げた地下水を一時的に貯留し、畑地へ地下水を送り出す働きをします)などの見学を行い、宮古島の地下水利用の現状を視察しました。
記念品交換をする清水教授(左)とNik教授(右) |
第8回Steering委員会の様子 |
宮古総合実業高校を表敬訪問 |
宮古総合実業高校での研究発表会での様子 |
Bio-Pを使用するサトウキビ畑 |
福里地下ダム |