第10回 八大学工学系連合会「博士学生交流フォーラム」開催

平成25年11月8、9日の両日に京都大学桂キャンパス船井哲良記念講堂において、「博士学生交流フォーラム」を開催しました。本フォーラムは八大学(北海道、東北、東京、東京工業、名古屋、京都、大阪、九州)の工学研究科に所属する博士後期課程学生の大学や専門分野を越えた幅広い人的交流関係の構築と、相互触発を目的としたもので、学生が中心となって企画・運営を行う“学生主体のフォーラム”です。集合写真_全体

工学博士としての生き方

10周年を迎える今年は、「工学博士としての生き方」を基調テーマとし、日頃の学術研究から離れ「自分達が博士という学位を得て何者になりたいのか」という自分達の根源的な問題について考えるフォーラムとなりました。

特別講演

『東日本大震災復興における研究者の取り組み』

芥川一則先生
福島工業高等専門学校 コミュニケーション情報学科 教授
広野町除染作業委託審査委員会 委員長
特定被災地域公共交通調査事業調査事業連絡協議会会長
芥川 一則 先生

東日本大震災後の復旧・復興のための活動紹介を通して、高専・大学など高等教育機関が地域・企業と連携していく中で果たすべき役割についての考えを述べられました。「安全」だけでなく「安心」を与えることの大切さなど、学術的な専門性だけではなく「社会の中で自身の能力を役立てる」ことの重要さについてお話を頂きました。

 

『やれる理由を見つけて挑戦することが独創をかなえる』

川口淳一郎先生
宇宙航空研究開発機構(JAXA) シニアフェロー
宇宙科学研究所 宇宙飛翔工学研究系 教授
小惑星探査衛星「はやぶさ」元プロジェクトマネージャー
川口 淳一郎 先生

小惑星探査衛星「はやぶさ」のプロジェクトなどこれまでの研究活動や、関連する研究者達のエピソードを交えて「最先端を切り引いていく思考」についての講演を頂きました。軽妙なお話に会場からは度々笑いがおこり、また過去の研究に縛られない自由な発想が必要だという熱いメッセージは、学生達に強く印象を与えました。

 

講演後の質疑応答では、学生だけでなく教員からも多くの質問が挙がり、積極的に意見が交わされました。

ポスターセッション

参加学生がお互いに自身の学位研究についての紹介や議論を行いました。

ポスターセッション

セッションでは優秀発表者の投票が行われ、1日目終了後の懇親会において上位二名が賞状と賞品を授与されました。

  • 最優秀賞&フォーラム賞 九州大学 物質創造工学専攻D2 植木亮介
    「生命現象を"見る"ための分子戦略」
  • 優秀賞 東北大学 技術社会システム専攻 D3 栃木靖久
    「1000万コマ/秒の動画撮像性能を有する高速CMOSイメージセンサに関する研究」

グループ討論

大学教員・産業界アドバイザーを交えて「八年後の博士課程を考える」を課題としたグループ討論を行い、現役学生の立場から今後の博士課程を魅力あるものにするためのアイディアを考えていきました。

2日目の全体発表では、博士向けのインターンシッププログラムや雇用システムなどのユニークな提案や「今のままでは自分達は社会で使えない人材ではないか?」といった強烈な意見も飛び出し、活発な議論が行われました。

グループ討論

 

参加学生にとっては、他大学・他分野の学生との交流を通し、普段は研究に追われ省みることのない「なぜ博士になりたいのか」について考えを巡らせる充実した二日間となりました。

参考情報

八大学博士学生交流フォーラムロゴ八大学工学系連合会 北海道大学、東北大学、東京大学、東京工業大学、名古屋大学、京都大学、大阪大学、九州大学の八大学に所属する工学系の学部及び研究科等による連合組織

 

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