【研究成果】ゼロカーボンバイオ産業創出の基盤となるタンパク質繊維試作品の完成
材料化学専攻の沼田圭司 教授は、Spiber株式会社、Symbiobe株式会社と協同で、海洋性紅色光合成細菌をもとにゼロカーボンタンパク質繊維(Air Silk)の作出に成功しました。
安価で大量生産される化学繊維は、石油等を原料に合成され、製造から廃棄までの過程において多くの二酸化炭素を排出します。紅色光合成細菌は、大気中の二酸化炭素と窒素を固定します。今回、遺伝子組み換え技術によりクモ糸シルクタンパク質を合成する海洋性紅色光合成細菌をつくりだすことに成功しました。さらに、その海洋性紅色光合成細菌を効率良く培養する方法を確立し、細菌から抽出・精製したタンパク質を部分的に利用することで、繊維化することに成功しました。主原料を化石資源に頼らず、二酸化炭素を固定しながら生産することができるタンパク質繊維は、化学繊維に代わる新たな選択肢として、持続可能な次世代繊維産業に貢献することが期待されます。
詳しい研究内容について
ゼロカーボンバイオ産業創出の基盤となるタンパク質繊維試作品の完成
研究者情報
沼田圭司 京都大学教育研究活動データベース