環境工学との出会い

技術専門職員 楠田育成

楠田技術専門職員 令和6年能登半島地震にて被災された方々に心からお見舞い申し上げます。

 私が京都大学に採用されて,早いもので17年が経ちました(2006年10月採用)。配属が都市環境工学専攻となって,初めて環境工学(衛生工学)という分野を知ることになるのですが,最初は専門用語がわからなくて必死で勉強したことを思い出します。本稿では,当時を少し思い出しながら業務内容をご紹介したいと思います。

 まずは,地球工学科環境工学コース学生実験(環境工学実験1)の教育支援についてです。本学生実験は主に基礎的な水質汚濁指標であるアルカリ度やアンモニア性窒素,リン,SS (浮遊物質量),BOD (生物化学的酸素要求量),COD (化学的酸素要求量),大腸菌・大腸菌群数などの測定を通じて,その原理や分析手法を習得することを目的としています。1年目は器具や物品の場所がわからず,まさに右往左往しながら対応していたことが思い出されます。当時担当されていた先生方には非常に助けていただきました。2年目以降からは徐々に慣れ,物品等の保管場所はもちろんのこと,実験内容についてもある程度理解できるようになりました。鋭い質問をする学生さんがたまにおり,すごい着眼点だなと感心したこともあります。今後も学生さん達がスムーズに実験できるよう,創意工夫をしながら取り組んでいきたいと思います。

 つぎは,都市環境工学専攻における教育研究支援についてです。専攻には共通機器が多くあり,その維持管理などを私含め2名の技術職員で担当しております。また,数年前からスタートした設備サポート拠点“桂結”に登録されている機器の維持管理などもあります。どこの共通機器もそうだとは思いますが,高額な維持費の捻出に頭を悩ませております。お世話になっている研究室での研究支援では,学生さんと一緒にサンプリングや実験をしてきました。今後も最先端な知識を吸収しながら,今まで培ってきた「技術」で皆様をサポートできればと思っております。

 さいごに,本稿執筆現在,私は桂ものづくり工房委員として活動しておりますので,せっかくの工学広報誌ということで,工学研究科技術部が提供している「桂ものづくり工房」を宣伝させてください。桂ものづくり工房には,フライス盤や旋盤,卓上ボール盤,帯鋸盤といった工作機械以外にも,比較的最近導入された3Dプリンターとレーザー加工機があります。詳細情報は桂ものづくり工房ホームページもしくは年2回配布しておりますパンフレットをご参照いただければと思いますが,これらを使用していただくには事前に機械運転技術講習を受講し修了することが必要です。まだ受講されておらず,少しでもご興味がある方はこの機会に受講をご検討いただき,是非とも桂ものづくり工房をご利用いただけますと幸いです。工房にある機器が皆様の教育研究活動に少しでもお役に立つようにと願っております。

(地球建築系グループ)

3Dプリンター
3Dプリンター
レーザー加工機
レーザー加工機
桂ものづくり工房
桂ものづくり工房

桂ものづくり工房HP
https://www.tech.t.kyoto-u.ac.jp/ja/services/koubou