電子工学専攻

21世紀においては、これまでにまして、電気エネルギー、情報・通信、システム・制御などに関わる技術が、社会の持続的発展の鍵となってきています。

電子工学専攻では、これらの基盤技術およびその基礎となる学理の体系化に取り組んでいます。電子工学専攻の歴史は、前身である電気工学科が明治31年に創設されて以来、120年以上に達します。電子工学の目覚しい発展に伴い、昭和29年に全国で初めて電子工学科が設置された後、発展的改組を経て現在に至っています。電子工学専攻は工学研究科に所属していますが、情報学研究科、エネルギー科学研究科と連携し、生存圏研究所、国際高等教育院、学術情報メディアセンター、光・電子理工学教育研究センターなどと協力しながら、電子工学に関連する幅広い分野での教育・研究を行っています。また、平成14~18年度の文部科学省21世紀COE(Center of Excellence)プログラムに続いて、平成19~23年度にはグローバルCOE プログラム「光・電子理工学の教育研究拠点形成」を推進し、世界をリードする研究成果の創出を加速してきました。平成30年度には、電子工学・電気工学専攻がコアとなる卓越大学院プログラム「先端光・電子デバイス創成学」が採択され、世界最高水準の教育・研究拠点の形成を進めています。

電子工学専攻では、次世代のオプトエレクトロニクスを支える基幹技術の実現を通じた社会への貢献を目標とし、「光」と「電子」をキーワードとした新しい概念の提唱とそれに基づく革新的材料・デバイスの創製に関連する教育・研究を進めています。具体的には、光の究極的な制御として、例えば従来の半導体レーザーの常識を覆す、短パルス・高ピーク出力フォトニック結晶レーザーの実現、新ワイドギャップ半導体材料の物性解明やこれを用いたパワーエレクトロニクス素子の設計と作製、半導体における発光機構のナノレベルでの解明や高効率発光素子応用、光量子情報通信処理や光量子計測の実現と、光量子ナノデバイスの研究、またそれら量子計測や量子情報通信などの基礎となる、光と物質の量子的制御と超精密計測への応用、固体材料中のスピン輸送と制御、および新奇スピントロニクス素子への展開、分子系ナノ構造における電子機能の解明や各種走査型プローブ顕微鏡の開発、超伝導体、磁性体など、電子同士が強く相互作用する強相関電子系物質の作製と物性解明、電子やイオンビームの発生・輸送・制御に関する物理現象の解明と応用装置の開発、環境負荷の少ない新機能無機・有機半導体材料の開発とデバイス応用など、広範囲な分野で世界の先端を走る研究を展開しています。

このように、電子工学専攻は、エネルギーや環境問題、情報通信技術の発展など、人類にとって緊急の課題を解決しながら新しい学問を探求するスタッフと学生に満ち溢れています。ソフト、ハードとも恵まれた素晴らしい環境の中、社会に貢献する革新的な研究を自らの手で創造したいという情熱・野心を持った若い人を待っています。

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