工学における国際交流の推進
附属工学基盤教育研究センター 副センター長 教授 本多 充
附属工学基盤教育研究センター(以下,ERセンター)の重要なミッションである国際化推進の一環として,学生交流協定校であるフロリダ大学(以下,UF)から教員および多くの学生を受け入れているほか,京都大学の留学生と日本人学生の交流を促進する支援事業を展開しています。本稿では,2025年度のUF交流事業および留学生・日本人学生交流促進事業について紹介します。なお,UF交流事業のこれまでの経緯は,工学広報No. 83をご参照ください。
参照:
工学広報No. 83
https://www.t.kyoto-u.ac.jp/publicity/no83/news/yqq81h
2025年度は,UF学生の受入れ回数を年2回へと拡大し,滞在期間も延長しました。第一回(5月12日〜7月31日)は教員2名,TA2名,学生39名を,第二回(9月22日〜12月10日)は教員2名,TA1名,学生28名を,それぞれ桂キャンパスと吉田キャンパスに迎えました。UF学生には短期交流学生の身分を付与し,桂図書館をはじめとする本学の諸施設を利用する学習環境を提供しました。特に第一回の受入れにおいては,数名のUF学生が複数の工学の研究室に所属し,ゼミへの参加や研究活動に従事するなど,将来の京大への留学も見据えた多角的な交流事業を実施しました。受入れをご快諾いただいた各研究室の先生方に,御礼申し上げます。
今年度より本事業に国際高等教育院が参画したこともあり,京大生も参加可能なUFが提供する講義を吉田キャンパスで実施しました。昨年度は桂キャンパスでの実施であり参加する学生数が限られていたという課題がありましたが,吉田キャンパスで実施したこともあって参加人数は大幅に増加しました。工学部・工学研究科の学生が半数程度を占めるものの,残り半数は他学部・他研究科からとなり,幅広い分野の学生を呼び込むことができました。また,今年度は国際高等教育院主催の京都大学短期派遣プログラム(UFサマープログラム)として8月31日から9月15日まで京大生10名をUFへ派遣しました。このように,本事業は受入れのみならず,双方向型の交流へと着実に深化しつつあります。
参照:
フロリダ大学への短期派遣プログラムを実施しました
https://www.kyoto-u.ac.jp/ja/news/2025-09-29-2
続いて,ERセンター国際化推進部門の海外留学生支援として取り組んでいる「ランチネットワーキング」の活動を紹介します。2024年度に始動した本活動は,「留学生の友人が欲しい」「海外に興味はあるが,一歩が踏み出せない」「英語は苦手だけれど挑戦してみたい」といった気持ちを持つ日本人学生と,京大に在学中の留学生との交流の架け橋となればとの思いから始まりました。2025年度はUF学生の受入れにあわせる形で前期の4〜7月の間,毎週木曜に開催しました。参加学生から大変好評を博し,通年開催を希望する声も多く寄せられたことから,今年度は前期(4〜7月)に加え,後期(10〜12月)も実施する運びとなりました。今年度前期は船井国際連携ホールを会場とし,阿波おどりや折り紙,浴衣の着付けなど日本文化の体験を通じてUF短期交流学生と本学日本人学生・留学生が親睦を深めました。実施にあたっては,日本人学生が大きな役割を果たしてくれました。また,後期は桂ラウンジへと会場を移し,UF学生が主体となって企画したミニゲームなどを通じて,京大生たちとの交流が活発に行われました。
近年の世界情勢や経済状況を鑑みると,留学という選択が容易ではない学生が増えていると感じます。幸いにして,京大には短期留学生を含む多くの留学生が在籍しており,留学生との研究・文化両面での対話や交流は,海外で活躍できる人材育成の大きな一助となるはずです。特に,短期交流学生として滞在する30-40名のUF学生との交流は貴重です。ネイティブスピーカーの輪の中に飛び込む経験は,京大生にとって大きな自信に繋がっています。また,こうした交流を通じて,本学大学院への進学に興味を持つUF学生が現れるなど,双方向の教育効果も見受けられました。
本事業へのご理解とご協力をどうぞよろしくお願いいたします。
