桂図書館,工学北図書室・工学南図書室 令和6年度活動報告
桂図書館は桂キャンパスで活動する工学研究科の大学院生・研究者のみなさん,工学北・工学南図書室は吉田キャンパスで学ぶ工学部学生のみなさんへ図書館サービスを提供するとともに,図書館機構の一員として京都大学全学に資する活動を行っています。令和6年度の主な活動についてご報告します。
1.桂図書館リサーチコモンズ,オープンラボにおける研究・教育交流活動
リサーチコモンズ及びオープンラボは,研究者間の交流を活性化させ,学生の知的活動を促すとともに学外研究者との協働を促進することを目的としています。グループワークやディスカッションに自由に利用したり,学会・ポスター展示の会場として利用したりすることが可能で,令和6年度も30件以上の様々なイベントを実施しました。6月に開催された,工学基盤教育研究センター(ERセンター)の日本文化フェスティバルでは,フロリダ大学からの留学生のみなさんが和ろうそくへの絵付けや浴衣着付けを体験し,その熱気あふれる様子をメディアクリエーションルーム機材で撮影しました。11月には,展示「Close Encounters-留学生の眼から見た京都と,観光地における新たな体験の提案展」が実施され,建築学専攻の建築設計演習の成果が披露されました。
なお,メディアクリエーションルームでは,研究・学習用コンテンツ制作支援として,併設のスタジオで動画撮影・編集やグラフィック作成等のお手伝い,機器の貸出も行っています。合わせて積極的にご活用ください。


2.桂図書館書庫再整備とオープンアクセス支援体制の整備
令和6年度,文部科学省「オープンアクセス加速化事業」に京都大学が採択されました。オープンサイエンスは,論文のオープンアクセスと研究データのオープン化・共有化(オープンデータ)を含む,研究成果の共有・公開を推進し,研究活動の加速化や新たな知識の創造等を促す取組です。その推進のための運用基盤整備の一環として,桂図書館地下書庫に手動集密書架を設置しました。また,桂キャンパスでの研究マネジメント支援の拠点となる情報環境機構データ運用支援基盤センター桂分室の事務スペースを桂図書館内に整備しました。
令和6年2月16日に統合イノベーション戦略推進会議で「学術論文等の即時オープンアクセスの実現に向けた基本方針」が策定され,公的資金のうち令和7年度から新たに公募を行う競争的研究費の受給者は,学術論文及び根拠データの学術雑誌への掲載後,即時に機関リポジトリ等の情報基盤へ掲載(即時オープンアクセス)することが義務付けられます。桂図書館では,即時オープンアクセスへの対応や,その他オープンアクセスに関するご相談を受け付けていますので,お気軽にお問い合わせください。
3.閲覧室をロボットが走行! 桂図書館をフィールドとした実証実験
桂図書館は,研究の実証実験の場としても活用されています。令和6年度は,「人との共存に向けた複数ロボットサービスの実証実験」「⽊質建築部材のアップサイクル利⽤促進のためのモジュール家具の開発」「Wi-Fiパケットセンサを用いた混雑予測に関する研究」の3件が実施されました。
このうち,複数ロボットサービスの実証実験では,桂図書館1階開架閲覧室でロボットを4台走行させ,音声案内,ごみ収集,床面異常検知,ミネラルウォーターボトル配布サービスを行い,不特定多数の人が存在する空間で,接近する対人行動として不快感を与えない誘導技術,種々のロボットがサービスを円滑および安全に行えるような情報活用技術に関する実証実験が実施されました。


4.工学北図書室・工学南図書室ラーニングコモンズにおける学習・教育支援
工学北図書室・工学南図書室のラーニングコモンズは,全学の学生が日常的に使用できるスペースです。予約不要で,多様な学習に利用できるため,年間を通し活発に利用されています。こうした日常的な利用の他,令和6年度には貸切予約利用により5件のイベントが実施されました。アクティブラーニングに最適な施設として,全学共通科目の授業の中で,学生のグループワークやプレゼンテーションの会場となったほか,学部や学科が主催する公式行事も実施されました。