附属工学基盤教育研究センターの取り組みと改組
2018年4月に旧・附属グローバル・リーダーシップ大学院工学教育推進センター(GLセンター)が改組され,附属工学基盤教育研究センター(以下,ERセンター)が発足してから早6年が経ちました。その間にはコロナ禍もあり,外部環境の変化に伴いERセンターの実務もまた変化を迫られるという状況が続いてきました。常にダイナミックに変化している工学研究科の中で,ERセンター発足時の部門体制と実際の実務との対応関係が変わってきたこともあり,2023年4月にセンター内の部門を再編し,ERセンターがその役割を十分に果たしていける体制へと改組しました。本稿では,改組についてお知らせするとともに,当センターの取り組みを簡単にご紹介したいと思います。なお,旧GLセンターと改組前のERセンターについては,国際交流ニューズレターNo. 48, 49, 50, 52に掲載の記事をご参照ください。
改組による主な変更点は3つで,
1. 業務内容を整理し,5部門を3部門に集約
2. 各部門にセンター講師を配置
3. 次世代学際院(iRING)との連携
となっています。改組前は全5部門において取り組むべきテーマが多岐に渡って具体的に書かれていました。しかし,部門横断的な性格のものや,センター内で閉じない業務内容も多く,実践の中で当初の企図通りの実施が難しいものもありました。そのため,改組前に書かれていた業務内容を洗い直し,重点的課題を絞り込み整理し直すことで,「次世代教員育成部門」「教育・学生支援部門」「国際化推進部門」の3部門へと再編しました。ERセンターには専属の教授1名に加えて,地球工学系,建築学系,物理工学系,電気電子工学系,工業化学系から各1名の講師,さらに国際化推進を主担当とする講師1名の,計6名の講師が所属しています。次世代教員育成部門と国際化推進部門に各3名の講師を配置することで役割分担を明確化し,実施項目に対して即応できる体制を構築しました。共通型教育を実施する教育・学生支援部門は所属教員全員で対応しています。
ERセンターは共通型教育としてアントレプレナーシップ教育を実施する複数の学部生向け講義の他,大学院生向けに英語で実施する様々な講義を提供しています。新入生ガイダンスや工学序論といった専攻横断型科目の対応も当センターの所掌です。工学における最先端の研究をオムニバス形式で英語にて紹介する「先端マテリアルサイエンス通論」「現代科学技術特論」については,講義を実施する機会が少ない若手教員のFDの場として,2024年度よりiRINGと密接に連携した実施体制とする予定です。
工学教育の国際化推進はセンター業務の柱の一つです。前述の英語による講義科目提供の他,英会話学校との連携による課外英会話教育QUESTの実施,留学生とその家族向けの日本語講義科目の提供などを行っています。当センターでは国際高等教育院との協業により学部1,2回生向け専門科目の講義動画に日英字幕を付ける「講義動画字幕システム」を推進しており,留学生が学びの滑り出しの段階で日本語の問題で学習に躓かないような仕組みを構築しています。フロリダ大学との連携により,同大の学生を15-30名ほど毎年初夏に受け入れ,工学学生との交流を積極的に推進しています。さらに,留学生が本学に馴染めるようなイベントを多数実施しており,2023年度においても七夕,Kyoto iUP生の桂キャンパス見学会,年賀状作成などのイベントを実施した他,11月祭では国際交流のイベントスペースを設置しました。
紙面の関係上全てをご紹介できませんでしたが,ERセンター所掌の業容についてご理解頂ける機会となれば幸甚です。センター教員が一体となって新しい工学教育の推進に力を入れていく所存ですので,皆様のご理解と積極的なご協力をよろしくお願いいたします。
参照:国際交流ニューズレター
No.48
https://www.t.kyoto-u.ac.jp/ja/about/publications/newsletter/News Letter No.48
No.49
https://www.t.kyoto-u.ac.jp/ja/about/publications/newsletter/newsletter49
No.50
https://www.t.kyoto-u.ac.jp/ja/about/publications/newsletter/No.50
No.52
https://www.t.kyoto-u.ac.jp/ja/about/publications/newsletter/newsletter52